山本一夫さん 調布の89歳殺害

2017年3月1日

山本一夫さん 調布の89歳殺害

殺害された山本一夫さんは顔や頭に数十カ所の傷を負い、鼻や顎を骨折するなど変わり果てた状態で見つかった。傷は脳にまで達しているものもあったという。猫をかわいがり、静かに暮らしていた山本さんが、なぜここまで執拗(しつよう)な暴力を受けなければならなかったのだろうか。

事件があったのは、40年近く前に建設され、9つの住居棟と商店街が一体になった都営調布くすのきアパート。古くからの住人で、自治会を務めたこともある「山本のおじいちゃん」は、顔の知れた存在だった。2人の息子は独立し、妻は近くの老人ホームに入居。一時は孫を預かって保育園の送り迎えなどをしていたが、足腰が悪く、耳も遠くなってヘルパーの介護を受けながら1人で暮らしていたという。

それでも、手押し車を押して商店街に立ち寄り、食事をしたり、冗談を言ったりする元気な姿が事件前日まで目撃されていた。「100歳まで頑張らないと」。近所の住人が体を気遣うと、そう笑って返していたという。「穏やかな人。トラブルは聞いたことがない」。住人はそう、口をそろえる。

団地に住み着いた猫をかわいがっていたという山本さんは、猫が部屋に入ってこられるよう、ベランダの窓を少し開けておくことがあったという。捜査幹部によると遺体発見時、ベランダの窓が開放され、周辺には血のようなものが付着していた。犯人はベランダから侵入し逃走した可能性がある。猫への優しさが侵入を許したのであれば、あまりに悲しい。


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